佐々木一成のブログ

元JOYBRASS トロンボーンアドバイザー 佐々木一成のブログです

質問に答えます。vol.6

最近寒いですね、どうもアドバイザーの佐々木です。

ひとつだけお知らせです。前回のBob Reevesのスリーブですが、特注でレミントンテーパーやヨーロピアンシャンクテーパーのものも作成可能です。さらにそれぞれで太さの違うものも出来るみたいです。

 

はい、今回は質問にお答えしますよ!

Q  広い音域を跨いだり、跳躍があったりするとアンブシュアが崩れる気がします。

 A  これは実際に見てみないとわからないことも多いと思うのですが、個人的に思うのはアンブシュアの状態が多少崩れても同じクオリティの音が出ることを知るのが大事かな?と。

やってみるとわかるのですが息がちゃんとその音として流れていると意外とどんな口でも音は出るものな気がします。バテたり、ちょっと無理をしたり、アンブシュアがベストの状態で吹き続けられるのは案外そんなに無いと思うんですよね。なのでこのことはバテとの関係性も大きいと感じます。ポイントは音を狙わないというか出てしまうみたいな状態を探す…うーん、文章で書くとよくわからない感じですが…中低音が比較的許容幅が広いのでリップスラーの下降型やスケールを降りていく形でコントロールしようとせずに鳴ってくれる場所ならどこでも良いと決めてやってみるとか…ストライクゾーンを広げるみたいなイメージなのです。わかりにくいようならまた質問ください。

 

Q  最新のブログ見ました。構造的にトロンボーンにギャップはないのでは?どういう仕組みなのでしょうか?

まずはこの記事を見ていただいてですね。あと仕組みは

良くわかりません…

確かにトロンボーンにギャップみたいなものはないです。直接パイプ側に差し込むのでフリューゲルと同じようなイメージでしょうかね。ただボブさんが言うように確実に変化があるとしか言いようがないんですよね。現行の色々なトロンボーンのマウスピースも長さが様々ですよね、それによって相性が結構別れてしまうという現象はこの「リムトップからクルークまでの距離」と言えるのではないでしょうか。

まあとにかく試してみてくださいとしか言いようがないのですよね~。なのでまた色々と聞いてみてください!

はい、今回はここまで。

なんでも良いので質問お待ちしております。

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リムトップからクルークまでの距離 vol.2

皆様、明けましておめでとうございます。
アドバイザーの佐々木です。
本年も宜しくお願い致します。というわけで新年1発目は…

 夏にポストした「リムトップからクルークまでの距離」の反響が思いの外ありまして、お店でも聞かれることがよくあります。そうなんですよね、僕も衝撃的な変化でした、今までのマウスピース選びの感覚を覆してしまったと思ったほどですから。

とうとうその距離が探せるBob Reevesのスリーブ式のマウスピースがお店に来ました!

ジャン!

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これが

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こんな感じで装着して使用します。

特徴的なのはいわゆる細身のシャンクもこれで試せるということなんです。前に書いた「ペーパートリック」だと距離を出すことしか出来なかったのですがこれである程度のバランスの良いポイントを探せるようになります。

そしてこのシステムは他社製のマウスピースでもスリーブ加工が可能なのです。

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こんな感じで手持ちのグレッグブラックをスリーブ加工してもらいました。写真を見るとわかるのですが、いわゆるネック部分の半分くらいまで加工されています。トロンボーンの場合はトランペットと比べてトップに対してシャンク部分が短いのでどうしてもこういう形にならざるを得ないようです。ちなみにスリーブシステムは今現在は太管用でしか作られていません。

装着すると

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こんな感じになります。これでスリーブが7種類ありまして。4が標準の太さのシャンクで数字が小さくなると太く、大きくなると細くなっていきます。

7番のスリーブ装着時

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1番のスリーブ装着時

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結構変わりますよね、実際吹いてみるとわかるのですが良くも悪くも効果が大きいです。一応今はスリーブが全種類とテナー(6-1/2AL相当)とバス(1-1/2G相当)があるのでお店で試せますよ!僕もお手伝いしますよ~。

はーい、というわけで商品の紹介みたいになってしまいましたが。あくまでも「リムトップからクルークまでの距離」の続きなのです。是非色々な方に体験していただきたいですね!
今回はここまで。

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座奏のススメ

ハイ、また若干あいてしまいましたね…
どうも、アドバイザーの佐々木です。

皆さん、練習の時は立って吹くことと座って吹くことはどちらが多いですか?
トロンボーンという楽器はスライドで演奏するという特性上、意外に立奏と座奏で差が出てしまうことがあります。レッスンで両方の形で吹いてもらうと結構得手不得手が出てしまう印象が強いですね。

僕も昔は特に気にせずに気分で立ったり座ったりその時の気分で吹いてました。
でもある時、立ってやると出来るのに座って吹くと微妙に出来ないことがあるのに気づいたのです。
どちらかと言うとスケール練習とかの比較的テクニカルな練習をしている時に無意識に立奏でやってました。おそらく身体の使い方の関係で、ある程度自由がきくからだと思います。であれば座奏時での演奏クオリティを立奏と同じに出来てしまえば良いのです、個人的にここで大事なのはあくまでもクオリティのみを意識することで、腕がどうだとか座り方がああだとかを考えないで出音に集中することが一番効果的だと思います。その上でなかなか改善しない時に少しずつ意識を持ってくれば良いですね。

それ以外だと例えばオケスタは座ってとか、ソロピースは立ってなど本番を想定した練習をするのはもちろん大事なのですが、逆にDavidなどを座って練習したりするのも面白いですよ。そうして両方の差を縮めていければ身体の使い方や癖みたいなものが意外と知らないうちにならされてしまうかもしれません、実際に僕もそうでした。ポイントはとにかく常に良いと思えるクオリティを選択していくことです。

今回はここまで、それではまた!
【質問は tb@joybrassco.jp まで】

調子が悪いなと思ったら

どうも、アドバイザーの佐々木です。

レッスンに来られたで「最近、調子が悪くて…」と悩む方がおられました。 

 この「調子が悪い」というのは果たして何がどう調子が悪いのかを自分でもチェック出来れば良いのですがなかなか難しいですよね。 吹きすぎなどによる疲労とかであれば休みをとってしまえば回復すれば良いのですが 奏法上のバランスが今までと変わっている場合があります。 それは上達する上での過渡期だったり、体調や身体の変化に起因していたりと様々です。ただバランスが崩れて調子が良くないまま無理に頑張っても余計にハマってしまうかもしれません。僕が留学中これ以上ないくらいに吹けなくなってしまった時はまさにこの「どハマり」状態に陥ってました。改善しないのにひたすら何時間も似たような練習をすがるようにやってましたね。最終的に自分自身の捉え方を変えてやることで少しずつ良くなっていきました。そのなかで特に息と舌と振動のタイミングのバランスは上達するため、またコンディションの維持にもとても大事な要素だと思います。

というわけで今回は、佐々木的バランスチェック方法を…

1  楽にある程度楽器を吹いているときの口を作ったような状態で息を流すのですが、このとき唇は閉じられている状態で「P」のような発音で息を出すときに唇の間に穴が出来て息が流れる感じが出来るかどうか。

 2  1の動きに舌も連動させて問題ないかチェックする。その場合は「T」を発音する感じで。

3  そのままマウスピースのみを当てて2と同じアクションを。バジングさせようとせずに2の動きにマウスピースを当ててるだけの状態で。

4  再びマウスピースを外して今度はなんとなく唇が振動するように吹く(緩く振動してる状態で十分)

5  楽器で同じアクションで音を出す(出そうとせずに出てしまう感じ、振動が発生していれば大丈夫)

この一連のやり方で頭にあるタイミング(テンポ)と息、舌、唇がリンクするかどうかを確かめる感じです。ポイントは出すというよりも出てしまうような感じで「待ってあげられる」かどうかが大事なところです。これらが出来てて音出しに問題が発生する場合は唇のリードとしての状態が上手く作れない場合か別のアクションが発音時に入ってしまう場合がほとんどのように感じますね。バートファンリールさんの著書「トロンボーンのためのコーディネーション・トレーニング・プログラム」という本にも似たような考え方でのアプローチが載っています。色々な選択肢から上手くいく方法を選んでみてください。何か質問があればなんでもどうぞ!

今回はここまで。それではまた!

【質問は tb@joybrass.co.jp まで】

 

 

 

 

音=基本=タンギング

どうも、アドバイザーの佐々木です。
今回は頂いた質問にタンギングについての質問がありましたのでそれを取り上げたいと思います。

Q  テヌートタンギングなら大丈夫なのですが、普通のタンギングの時に口が動いて上手く出来ません。

A  こういう場合は恐らくなのですが、経験上発音時に「タ」と日本語的にしっかりと発音している場合が多いです。この方の場合はテヌートは大丈夫ということなので発音の仕方の差が原因な気がしますね。
タンギングは出ようとする息を意図的に舌でちゃんとせき止められている状態の繰り返しのことだと思ってください。
それで発音は「t」(母音は無い感じになります。)と発音する感じです。
どうしても「タ」と母音も発音してしまうと下あごが動いてしまいアンブシュアが崩れる傾向があるように感じますね。
あとは自分で難しくしないというのがコツですね、これ僕もなりましたけどハマっていくと最初の音を出すのが苦手とかブレスをすると崩れるとか音域をまたぐと出来なくなるような状況になりがちです。そのどれもがアンブシュアの状態が何かしら崩れている場合がほとんどだと思います。僕もやっている練習としては
1、ブレスをする
2、マウスピースをセットする
3、息を舌を使ってリリースする(音が出なくても気にしない)

1、2が逆のパターンも大丈夫です。
これを出来るだけシンプルに行うことを目標に繰り返して練習するのが良いです。メトロノームを使って単純に繰り返し練習をするときにひとつひとつのクオリティをそこまで気にしないで感覚をつかむような練習をするのもとても役に立つと思います。
単純だけどただちゃんと音を出すという行為を確かめることを練習の初めにやるのをオススメします。
気にせず出来るとよいけれど、うっかりするとそこからバランスを崩してしまう要素の多いタンギングだからこそあまり悩まず、でもちゃんとおさえておきたいですね。
僕が楽器の調子が悪くしたたときも、今思えばタンギングからでしたので余計に思いますね。その時はそのことばかりを考えすぎてドハマりしてしまったのも今となっては良い思い出なのかもしれません。細部をみる必要性はもちろんあるのですが、そこに囚われすぎると木を見て森を見ずな状況に陥りやすくなるような気がします。そこのバランスは結構気を使いますね、僕も人によってかなり言い方を変えたりしているのもそういうところを考えたりしている故なので。

今回は、ここまで。

【質問募集中です!なんでも良いので tb@joybrass.co.jp までよろしくです~】

急がば回れ?

いや~空いてしまいました…どうも、アドバイザーの佐々木です。週末にかけてジョイブラスのトロンボーンアドバイザーとして富山県は高岡、ウィンズラボさんに行ってきました!沢山の方と出会えてとても貴重な機会となりました、皆様ありがとうございました。
という訳で少し空いてしまいましたが、ブログもちゃんとやっていきますよ~

レッスン中に「○○をやるのに一番良い方法は何でしょうか?」という質問を受けることがあります。
そうですね…

僕が一番知りたいです

教えている側からは今までの経験や知識から診断して必要だと思うことを言ったりしてます。そのレッスン中に言われたこと丁寧にやり続けることはとても大切なことなのですが、自身の血となり肉となる方法は結局のところ自分自身しか知り得ないと僕は思うのです。

もちろん苦労しない方が良いと思うし、なかなか上手くいかないことに悩むこともあるだろうけれど、色々なことを経て振り返ると自分にとっての良い感触やウォームアップ方法、コンディションの維持の仕方など経験から見えてくることは沢山出てくるはずです。しかもそれらも常に変化していく感じなので出来るだけ色々なやり方に触れる、アプローチも何通りもあるだろうと柔軟に考えられたほうが良いと思います。

なのでですね、出来るだけ回り道をしたくないのだけれども、出来ないのなら自分の道を地道に探すしかないと思うのです。少しでも進んだなら今までと違う立ち位置で出来なかったことも新鮮に考えることが出来るようになります。それが本当の意味で「効率の良い練習」になるはずですから。

今回はここまで、それではまた!

【質問は tb@joybrass.co.jp までどうぞ!ブログ用とか佐々木さんへ質問ですとか書いていただけるとわかりやすいです!!】

限界への挑戦

どうも、アドバイザーの佐々木です。
日頃感じるのですが意外と無意識にで自分の枠を決めつけてしまっていないか、と思うことがあります。それはハイトーンだったりロートーンだったり速いフレーズや色々なタンギング、ダイナミクスの幅など、苦手なことや出来ないところをあまり触らないようになってしまいがちだったりしてないか?みたいなことです。

基本的にはスケールなどの基礎練習とかでもアプローチは出来たりするのですが、個人的には難しい部分を避けられない作品を練習すると自分の限界を突破するきっかけになりやすいと思います。

僕の思うポイントは吹けばなんとなく曲にはなるのだけれども、クオリティが自分の思う感じにはならないものを練習すると、そこから紐解いたアプローチの仕方が見えてくるというものです。ただ取り上げる時点で結構出ない音がたくさんあるというのであれば、別の曲を選んだほうが良いと思います。楽譜を見ながらまっさらな状態で歌ってみて自分の欲しい質感や曲調や音を感じてそれに必要な音を頭で求めながら楽器を吹く、そしてその質感は基礎練習時にもちゃんと落としてくることが大事です。

いつも吹いている感覚に頼ってしまうのではなくて、身体のアクションがとにかくシンプルな感覚でアプローチをしていくと自分の可能性みたいなものはより広がっていく要素が多くなるように思いますね、まあ実際やろうとすると難しいのですが…。柔軟に自分に対しても想像力を働かせるっていうことが必要かな?と思います。意外と自分はここが苦手だなと思う箇所は自分自身が難しくさせていることが多いような感じを受けますね。ちょっとしたことなのだけれどなかなか根深いというか…。

ちょっと小難しい説明になってしまいましたが、要は 
なんでもチャレンジ、あくまで理想の状態を想定する、出ると信じて待ってあげられるということです。そのうちグン!と自分のステージが上がる瞬間があるはずです。

それでは、また。

【質問募集中です! tb@joybrass.co.jp まで】