佐々木一成のブログ

元JOYBRASS トロンボーンアドバイザー 佐々木一成のブログです

リップスラーーーーーイム

どうも、アドバイザーの佐々木です。

最近少しづつ涼しくなってきましたね、なかなかブログがあげられずすみません~。

今回はリップスライム…いやリップスラーについてです。
レッスンをしていてもリップスラーが苦手だと言う方がそれなりに多くいらっしゃるのですが…

はい、私も得意ではありません。

というわけで、苦手ながら色々と試してきた中で、これは良いと思った個人的ポイントですが、

1、息が同じ感覚で出続いてる状態に音が付いてくるような感じで。

2、移動する音をそれぞれロングトーンで吹いている質感で捉えられているか=ちゃんと音を捕まえられているか。

3、移動した音の状態の切り替わりをそこまでシビアに考えないが、より反応が速いほうを選んでいく。

4、体や口元などをあまり意識せず、あくまでも頭の中での音移動に体がついていく感じ。

これらで最も大事なのはロングトーンの音の状態をリップスラーのときにちゃんと意識するというところです。
まあこれは苦手な僕が色々とやってきたなかでこれが良いと思った内容なのでね、なんともいえないところがあります。
それでもなんとかこれで速い動きや跳躍、トリルとかが前よりも出来るようになりましたね。
それにしても人によってはすごく簡単に出来ている方もおられるのでむしろどうやっているんだろうと本当に思います。

短いですが、今回はこんなところです。
(ふざけたタイトルを思いついたところがMAXでしたね。)

それではまた。

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エチュードとの関わり方

どうも、アドバイザーの佐々木です。
今回はフランスの常識非常識の第4回です。

「フランスは国産エチュードの嵐や‼」

フランスの教育システムはそれなりに歴史があるみたいで、フランス人が書いたものだけでも、色々な教則本やエチュード集が沢山あります。古いものだと世界的に有名なアーバンやトロンボーンでもお馴染みのロッシュのエチュードもそうですね。ただトロンボーン用となるとやはり近現代のものが多くなりますね。自然な流れなんでしょうけどやはりトロンボーン奏者が書いたものが多いように感じます。

前回紹介したバドメーカムもそうですが、それぞれが残した教本が現在の学生に受け継がれていますね。といういことで僕が留学時代やっていたものを紹介しますね。ちなみにラフォースはバドメーカムくらいしかやらなかったです。

ピショローのスペシャルレガートです。幅広い音域をレガートで練習するように書かれた本で、頭の全調のアルペジオのあとは短めの練習曲になっています。これはよくやりましたね、今でもパターンを使ったりしている個人的にとても良いエチュードだと思います。






ピショローのプレアンブルです。これは僕が調子が悪くなったときによく使っていたもので、単純な比較的やさしい本になっています。ある程度吹けるようになるとそこまで使うことはなくなりましたが、大事な時間を過ごせたと今は思えますね。






ピショローの全ての音を使った30のエチュードです。
こいつはとっても歯ごたえがあります。たぶんバドメーカムより難しいです。初めたころはとても吹ける気がしなかったのですが、それでもしつこくチャレンジしていると出来るようになってくるのは不思議なものです。

イヴ・ドゥマールのスプレス(リップスラー)です。これもリップスラーを軸に練習曲集となっています。これも結構やりましたね、ちなみにこの本の前段階としてDebut en Souplessといってもっとやさしいバージョンもあります。






ジル・スノンの25のエチュードリトモ・メロディックです。こいつもなかなか難しいですが、曲が面白いので飽きさせないですよ。ただ、まあ結構難しいですがね・・・。





とまあ挙げていくといくとキリがないのですが、とりあえずはこんなところです。あとはノレとかノレとかノレとか…
どのエチュードをやるにしても難しいけれどひととおり触っていくということが大事な気がします。
出来ないところでつまるよりもざっくりと全体を吹いてみてからのほうが良いと思います。
そうでなくても最後までさらいきることはないことのほうが多いでしょうから、全体図を体感的に把握することが大事だと考えてます。
せっかく買うんですしね!あとは曲として楽しめるかどうかが分かれ道になると思いますね。
ジャンルで分けてみると
・スケール的なもの
・レガートやアタックをつかったアーティキュレーション的なもの
・曲想やスタイルを学べるもの

を多くやった気がします。人によって若干違いますが他の生徒も似たようなメニューでしたね。
探してみると皆さんももっと楽しめるエチュードあると思いますよ!

それでは、また。

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質問に答えます vol.3

どうも、アドバイザーの佐々木です。今回は質問に答えていきますよ!

Q
アレッシホーンだと、マウスピースはアレッシの使っているグレイゴのアレッシモデル1Cが一番相性が良いのですか?

A
もちろん相性は良いと思います。僕も楽器を使い始めてからはグレイゴから買って試していきました!ただグレイゴ以外=相性が悪いということではないと思っていて、自分の好きな音質感がするものであれば良いと思っています。それに前に書いたように距離などで自分の吹きかたと使っている楽器の相性なんてあっという間に変わってしまうし、なかなか一概には言えないところです。また、本人が使用している大きさが自分に合うかどうかというのは中々シビアな問題だと思いますね。ただそのプレーヤーが使っている大きさのマウスピースのバランスや質量が楽器に対して相性の良さのバロメーターにはなるとは思いますが、演奏行為自体がしんどいとなんとも言えないですよね。なのでイメージをリセットして自分の好きな感じのものを探すのが良い気がします。

Q
スケール練習は大事だという記事をみましたが、スケールの教則本などなにかオススメのものなどありますか?

A
そうですね…まあ特に教則本とか使わなくても色々と出来はするのですが。例えば留学時代に使っていたものだと
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ラフォースのバドメーカムです。まあこいつは
難しいです。まあ出来るところをコツコツやっていけばなんとかいけるかな…くらいです。
他だと
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ミュラーのトロンボーンのテクニックです。3巻ありますが1か2を良くやってました。
これだと比較的やりやすいほうだとは思います。
まあでも実際に教則本を使うことはほぼ無かったので、これというものはなくて単純な形からでも良いので段々と音域を広く、ダイナミクスを大きくテンポを速くとかしていくやり方が良いかと思います。そういう意味でも人と練習すると自分のパターン以外のものが見れるので効果的ですよ!。

Q
自分では良い音と思ってても人から良くないといわれます。

A
これはですね~僕もあるんですよ、なんでしょうね?よく言われるのはどうしても演奏時に内耳も影響を受けるので思った感じと違うというのはしょうがないのでしょうかね。録音した自分の声も違和感があるのと似たようなものらしいですが、個人的には録音したものを聞くことを続けているとその差は結構縮まる気がしますよ。音自体はやはり聞いてもらったりして自分のベーシックな音色を見つけてしまうとかするのも大事かなとは思います。自分の好きな音かどうかは置いておいてリラックスして息を流して音が鳴っている状態がベーシックな音色に近いものとして捉えることが大事かな、と個人的には思います。

こんな感じでしょうか?質問はどんどん送ってくださいね!
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それでは、また。

個人的メッキ考

どうも、アドバイザー佐々木です。

この間もらった質問のなかに「佐々木さんのマウスピースは金メッキばかりですね、理由はあるのでしょうか?」というのがありましてですね。僕の理由は単純ですよ

銀メッキが合わないからです。

ひどくはないのですが、ハードな本番や練習を続けると唇が荒れてくるのですよ。

気づいたのは5,6年前くらいでしょうか、それまでは金メッキもそうですが銀メッキのマウスピースも使っていたんですよね。ただどうしても唇が荒れている状態になることが多くて、当時は練習のしすぎかな?とただ思っていたのですが、ある時しばらくの期間金メッキのものしか使わなかった時期があって気づいたのです。あれ、ひょっとしてシルバーがダメ?と…事実、とても良いマウスピースなのにしばらく使ってると唇が荒れていたのに、試しに金メッキをかけてみるとトラブル率が圧倒的に減りました。それ以来マウスピースは金メッキのものをオーダーするか、あとがけをするみたいな感じになりましたね。

さて、それでお店でもメッキをしたら音が変わってしまうのではないかという話をされることがままあります。この「メッキで音が変わるか論」は前から言われてるものなのですが、個人的には

通常のメッキにおいて、実はそんなに変わらないと思っています。

あくまでも個人的にですよ・・・

というのはですね、メッキ以外の要素のほうが大きいと思っているからです。

いや、僕も色々とやってみたのですよ。プラチナとかピンクゴールドとかグリーンゴールドとかチタンとかピンクゴールドのピンク薄目とか…

確かに、確かに変わった気もするのですがあくまでも吹いている側のモニターの変化が大きいように感じます。

これが例えばメッキ自体の厚さがかわると流石に変化が生じるとは思いますが、やはり基本的には口当たり、自分の体質、見た目!で選んでみるのが良いかな?と思います。

それでは、また。

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暗譜でGo!

今度は暗譜地獄だぁぁ、ぅわははははは閣下引用

どうも、アドバイザーの佐々木です。
皆さん暗譜って意識しますか?曲はもちろん簡単なフレーズとか基礎練習とかでも、比較的短い時間で譜面を覚えて吹くことはより音に集中出来る感覚が出ます。

僕の留学時代はですね、毎週エチュードを2、3曲プラス、トロンボーンのレパートリーになる曲をレッスンに持っていってたのですがエチュードの一曲を毎回暗譜するという課題がありましてやってなかった時のペナルティもありましたよ。そのペナルティとは…
三回くらうと退学‼
というやつです。

いやー、必死で覚えましたよ。前々回の記事のブノワ君の例もあるのでマジでやってました。当時は内容とかじゃなくとにかく覚えないとアカン!!ということでこなしていましたが繰り返していると感覚的に譜面を掴むような感覚が不思議と出てきましたね。あとは暗譜だと聴くことに関して強く作用する感じがします。まあそれでも今思うとフランスにいたときはただ覚えるという作業をこなしていただけでしたね。
それでも普段意識してない人にとっては良い勉強になると思います。オススメなのはもう覚えてしまった作品も、ちゃんとその後も譜面を読み続けるということをするととても勉強になりますよ。頭に入ったあとでさらに見えてくるものがあると思います。ゲーム感覚でも良いので暗譜にチャレンジしたらいかがでしょうか?


あとは僕が頂いたありがたい名言を紹介させていただきます。
あるピアニストとの合わせをしている時に、出だしを間違えてしまったんですよ。そしたら
「トロンボーンなんて単音しか使わないんだから、覚えられないなんて信じられない‼」

それでは、また。
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レッスンを受ける心構えの十ヶ条

どうも、アドバイザーの佐々木です。
今回はですね、レッスンを受けるにあたっての心構えみたいのが僕が体験したり人からの話とかから
「レッスンを受ける心構えの十ヶ条」みたいなものを考えてみました~

一、相性はあるさ、人間だもの。

教える側も教えられる側も人間だから相性はあると思います。その人が選ぶ言葉などが自分のもつ感覚と違うことなんて良くあるはずです。レッスンを受けるタイミングによっては色々と合わなくて伸び悩むこともあります。その時よくわからなくても後になって理解できることはよくあることです。

一、先生が上手くさせるんじゃない、自分が自分の上達法を発見するもの。

レッスンはあくまで提案やヒント、経験の伝達であったりするものなので、あくまでも自分の感覚と相談しながら受けましょう。そのままの形でやって何もつかめないのなら自分なりに実験をしてみて自らつかもうとしてみてください。

一、常に課題と向き合おう
自分が出来ること、出来ないこと、得意なこと苦手なことを正直にちゃんと認識して対峙していくことが大事です。

一、レッスンごときで失敗恐れてなんになる

レッスンで完璧に吹こうとしなくても大丈夫!今自分が出来ることをちゃんと出せるようになりましょう。

一、わからないことはそのままにしない

わからないこと、疑問点などあればどんどん質問しましょう。そのままにしておくのはもったいない。

一、己を知ることで可能性を知る

自分はトロンボーン吹きとしてどういうタイプかを考えると、どういうアプローチでやっていくのが良いのかが見えてきやすかったりします。パワー系なのかコンパクトにまとめるタイプなのかとかね。そのためにも他の人を見聞きするのは大事です。

一、自分の好みだけでアプローチ方法の良し悪しを決めない

演奏会や音源を色々聴いていると、とても大好きな奏者、あるいはあまり好きではない演奏をする奏者なども普通にあると思いますが、好きではないからといってその人のアプローチ方法まで嫌いにならないように、そこにこそ自分の感覚に合うアプローチ方法が存在しているかもしれないのだから

一、明日は明日の風が吹く

上手くいかないことを気にしすぎない、常にポジティブな思考で楽器と向き合いましょう。そのうち出来るようになるさ

一、人は忘れやすい生き物である。

レッスンで体験したこと、すぐやらなくなっていつもの自分の練習をしてしまってないですか?変化の為のアプローチは常に自分に少しずつでも取り入れて練習することが上達には近道です。なにを教わったか、普段の練習の中にちゃんと取り入れているのか、自分に変化を感じるか今一度考えてみましょう。

一、何はともあれ楽しもう
レッスンであれ、コンクールやオーディションであれ演奏するという行為には変わらないはず。そのために練習があると思いましょう。

はーい、どうでしたか?若干8番目と最後がかぶっている気がしますが…。
こういうのがあると僕自身も今一度気が引き締まる気がします。

それでは、また!

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一人より二人

どうも、アドバイザーの佐々木です。

今回はフランスの常識非常識の第3回です。

一人より二人、みんな集って基礎練習

フランスでレッスンといえば、朝クラスの全員が集まって色々なパターンで一緒に基礎練習をするのですが実は普段の練習も人と一緒に基礎練習をすると良いとされていました。
実際、これが良いんですよ。人とやるとテンポやイントネーションが独りよがりにならないのと周りを聞きながら自分も吹くことで、より質感を感じながら練習することができます。

僕がおすすめする組み合わせは同じくらいのレベルの人とやることで、効果がより良くレベルアップしていくことが可能です。
もちろんレッスンとかで上手な方とやるのも効果は出ますが個人的には同じくらいのレベルの仲間とやるのが良いと思います。

その昔ですね、先生から「明日から毎朝学校に来て二人で練習しろ」といわれまして。
現れました、ブノワ君。当時彼は16、17歳くらいだったかな?いいやつだったんですがね、
まあ朝来ない…

いや、少しは来るんですよ週に2、3回くらいね。来た日は一緒に練習するんですけど
疲れた

ちょっと休憩

もう帰っていい?

その3つのコンボです。いや彼はいいやつなんですよ(2回目)
でもまあ僕は放っておいたんですね、いる間は一緒にやって。

そしたらですね。1か月後のレッスンの日に学校の部屋貸し台帳を見た先生がぶち切れましてね。
僕もちゃんと一緒にやってやれみたいなことを言われましてね…、
いやいやいやいや、ちょっとまって
流石にそこまで面倒みきれないっす…

その日からは5日くらいですかね、来ましたよブノワ君。いいやつなんでね(3回目)
でもというかやっぱりというか来なくなりましてね。
そのうちレッスンにも来なくなったんですよ。
それで先生に聞いたんですよ。

「ブノワはどうしたんですか?」
「あいつは退学になったよ」

「は!?」
「いや、あいつは自分の課題をやらないんだから習ってても意味ないだろ?」
「……そうで…すね。」

そんな感じでですね、彼は退学になりましたとさ。
話が若干逸れましたがとにかくあれですよ、
基礎練習は友達とやろうよということでした。 ブノワ元気かな?

それでは、また。
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